特別試験合格者




 特別試験合格者とは、官公署出身者のうち、特別試験に合格して税理士になった人(国税OB税理士等)のことをいいます。


 この制度は、昭和26年に認定制度が設けられ(ただし3ヶ月以内の申請に限られていた)、そして昭和31年の法改正で特別試験に昇格したという経緯があります。


 そこで、具体的に、特別試験合格者タイプの税理士資格取得方法について説明していきます。


 特別試験合格者、つまり、官公署出身の税理士試験免除については、税理士法第8条に規定されているので、少々長くなりますが、該当箇所を以下抜粋します。


 

 第八条  次の各号のいずれかに該当する者に対しては、その申請により、税理士試験において当該各号に掲げる科目の試験を免除する。

  (一から三は省略)

 四  官公署における事務のうち所得税、法人税、相続税、贈与税、消費税若しくは酒税の賦課又はこれらの国税に関する法律の立案に関する事務に従事した期間が通算して十年以上になる者については、税法に属する科目のうち国税に関するもの

 五  官公署における国税に関する事務のうち前号に規定する事務以外の事務に従事した期間が通算して十五年以上になる者については、税法に属する科目のうち国税に関するもの

 六  官公署における事務のうち道府県民税(都民税を含む。)、市町村民税(特別区民税を含む。)、事業税若しくは固定資産税の賦課又はこれらの地方税に関する法律の立案に関する事務に従事した期間が通算して十年以上になる者については、税法に属する科目のうち地方税に関するもの

 七  官公署における地方税に関する事務のうち前号に規定する事務以外の事務に従事した期間が通算して十五年以上になる者については、税法に属する科目のうち地方税に関するもの

 八  第六号に規定する事務に従事した期間が通算して十五年以上になる者については、税法に属する科目

 九  第七号に規定する事務に従事した期間が通算して二十年以上になる者については、税法に属する科目

 十  次に掲げる者で、官公署における国税若しくは地方税に関する事務を管理し、若しくは監督することを職務とする職又は国税若しくは地方税に関する高度の知識若しくは経験を必要とする事務を処理することを職務とする職として財務省令で定めるものに在職した期間が通算して五年以上になるもののうち、国税審議会の指定した研修(財務省令で定める要件を満たす研修のうち、国税審議会が税理士試験の試験科目のうち会計学に属する科目について前条第一項に規定する成績を得た者が有する学識と同程度のものを習得することができるものと認めて指定したものをいう。)を修了した者については、会計学に属する科目

  イ 第四号から第六号までに規定する事務に従事した期間が通算して二十三年以上になる者

  ロ 第七号に規定する事務に従事した期間が通算して二十八年以上になる者

  ハ イに規定する期間を通算した年数の二十三分の二十八に相当する年数とロに規定する期間を通算した年数とを合計した年数が二十八年以上になる者

 2  前項第一号又は第四号から第九号までに規定する職又は事務のうち、試験の免除科目を同じくする職又は事務の二以上に従事した者に対しては、それぞれ当該職又は事務についてこれらの号に規定する年数を十年とする割合により年数を換算してこれらの職又は事務の二以上に従事した期間を通算した場合に、その期間が十年以上になるときは、その申請により、税理士試験において当該科目の試験を免除する。この場合において、第一号又は第八号若しくは第九号に規定する職又は事務に従事した者については、当該職又は事務に従事した期間を税法に属する科目のうち国税に関するもの又は地方税に関するもののいずれかを免除する他の事務に従事した期間に通算することができるものとする。




 少々長くなりましたが、以上が税理士法第8条に規定されている、税理士試験免除の特別試験合格者タイプ該当部分です。


 以下説明していきます。


 まず、これらの前提として、試験合格者タイプで説明したように、税法に属する税理士試験の科目には、国税(所得税法・法人税法・相続税法・酒税法か消費税法のうち1科目・国税徴収法)である5科目と、地方税(事業税か住民税のうち1科目・固定資産税)である2科目があり、このうち、3科目に合格しなければなりません。


 また、会計学に属する科目には、簿記論と財務諸表論があり、そしてこの2科目とも合格しなければなりません。


 上記規定のうち、第4号では、所得税法・法人税法等の法律の立案に従事した期間が10年以上になる人には、税法に属する科目の全部が免除されると規定しています。(免除されるのは国税と規定されていますが、国税には5科目あり、3科目をクリアーするので、税理士試験のうち税法に属する科目については全部免除されます。)


 第5号では、立案以外の事務(一般の税務職員がこれに該当します)に従事した期間が15年以上になれば、やはり、税理士試験のうち税法に属する科目全部が免除されることになると規定されています。


 また、第6号では、地方税の立案に従事した期間が10年以上の人は、地方税に関するもの2科目(事業税か住民税のうち1科目・固定資産税)を免除すると規定しています。


 そして、これに関しては、第8号において、従事した期間が15年以上であれば、税法に属する科目の全部が免除されると規定されています。


 第7号では、地方税の立案以外の事務(都道府県税事務所等の職員)に従事した期間が15年以上の人は地方税に関するもの2科目(事業税か住民税のうち1科目・固定資産税)を免除すると規定しています。


 さらに、これに関しては、第9号において、従事した期間が20年以上であれば、税法に属する科目の全部が免除されると規定されています。


 以上では、税法に属する科目についての免除規定でしたが、第10号は、会計学に属する科目についての免除規定です。


 その内容をみると、第4号(国税に関する法律の立案者)・第5号(一般の事務職員等)・第6号(地方税に関する法律の立案者)の者については、従事期間が23年以上であれば、税理士審査会の指定した研修を受けることができ、その研修を修了すれば、「会計学に関する科目」が免除されることになっています。


 つまり、第4号・第5号・第6号の人は、従事期間が23年以上であれば、税理士試験を免除されるということです。


 ちなみに、この税理士審査会の指定した研修の中身というのは、おおむね日商簿記の2級程度である、と言われています。


 また、第7号(都道府県税事務所等の職員)の人の場合は、従事期間が28年以上であれば、やはり、研修を受けることができ、その研修を修了すれば「会計学に属する科目」が免除されます。


 つまり、第7号の人は、従事期間が28年以上であれば、税理士試験を免除されるということです。


 以上が、地方・国家公務員についての税理士試験免除規定です。


 さて、それでは次に、特別試験合格者の長所と短所ですが、長所としては、税務調査に強いということができるでしょう。


 というのも、長年、行政のエキスパートとして培われたものがあり、また、税務当局の内情を知っていることから、ポイントをよく把握しているものと考えられるからです。


 したがって、税務調査に臨んでも、税務署との交渉をうまくまとめてくれるのではないでしょうか。


 ただ、注意しなければならないのは、同じ税務畑の出身者でも、それぞれ、歩んできた道が違うということを考慮に入れなければなりません。


 具体的には、法人税畑の人・所得税畑の人・資産税畑の人、あるいは主に総務の方面にいた人など、いろいろな人がいるのです。


 当然のことながら、資産税畑の人は、他の税(所得税や、法人税など)に関しては、独自に勉強していない限り、あまり詳しくはない、と考える必要があります。


 次に短所としては、基本的に、会計学に弱いといえるでしょう。


 上記で説明したとおり、税理士審査会の指定した研修の中身は、税理士試験合格者と比べ、乏しいものです。


 しかし、コンピュータ会計が普及している現在、大きな問題とは言えないかもしれません。


 さて、このタイプの税理士は、税理士試験が免除されるまでに20年以上かかることから、比較的に高齢者が多いと言えます。

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